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  • 執筆者の写真Frontier Valuation

リビルド等でグレードアップした資産の評価

近年、どの業界でも収益環境が厳しくなり、事業に供される機械設備自身もめまぐるしい勢いで技術進化しています。

これは最新の機械に多額の投資をしてもあっという間に旧式化、陳腐化してしまうというリスクを孕んでいるということでもあります。とはいえ、大型の投資は頻繁にできるものではありませんから、既存の機械設備を改修して使うということになります。

しかし、この改修は時価評価・公正価値評価の上では厄介なものです。

単に資産の性能を維持するための支出は修繕費として扱われますが、性能を向上させたり、耐久性を高めたりする支出は資本的支出として扱われます。 修繕費であれば当期の支出として費用計上されますが、資本的支出の場合は貸借対照表上の資産に計上し、毎期減価償却の手続きが必要になります。

資本的支出に当たる場合の税法上の処理と、公正価値評価の評価手法では根本的に異なります。

税法上は資本的支出の価額そのものを貸借対照表上に計上することとなりますが、公正価値評価では費用対効果に見合わない支出の場合は価値としては評価することはありません。 支出額そのものを価値としてバランスシートに計上してしまうと、過大な改造費を費やした場合に"最新の同種の資産より性能や能力が劣るのに価値が高い"という減少が発生してしまいます。 すなわち、無駄遣いをすると価値として認めないというのが公正価値評価の世界の考え方です。

リビルド等でグレードアップした資産の評価は評価人にとっては腕が試される場面でありますし、本領が発揮できる場面でもあります。


▲適切な補修をすれば機械・設備や構造物は長期使用が可能











米国鑑定士協会(ASA)資産評価士(機械・設備) 松浦英泰

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